|
|
|
|
|
|
|
|
イギリスの(多分)けっこう良いお家のお姉さんが、
きかんぼの妹のことを語ります。
赤毛の「ちいちゃい いもうと」は本当にきかんぼです。
そのきかなさといったら、あのロッタちゃんもかないません。
食い意地がはっていて、わがままで、しんぼうが足りなくて、
絶えず注目を集めていたくって…。
小さいころ、私は本当になさけないほど小心者でした。
おにごっこをしていればオニになることを心底おそれ、
お昼寝は自分だけ取り残されそうで不安で眠れない、そんな子どもでした。
だから、この「ちいちゃい いもうと」の行動にはいつも、
わくわくよりもはらはら。
私なら絶対に、サンタクロースにかみついたりしないし、
お姉ちゃんの人形を窓から投げたりもしない、
せっかく送ってもらったドレスの布をはさみで切ったりなんて、とんでもない!
それでもくり返しくり返し読んだのは、出てくる食べものが忘れられないから。
川遊びにはレモネード、劇場ではタフィー、お茶の時間にはタルト、
誕生パーティは緑のゼリーのスポンジケーキ…、
あこがれの外国の匂いがするんです。
いま読み返してみると、周りの人がとても寛大なことに驚きます。
騒動を楽しんでいるかのような余裕は、さすがは大人の国、イギリス。
原題MY NAUGHTY LITTLE SISTERのNaughtyを、「きかんぼ」と訳すやさしさ、
堀内誠一さんの子どもにこびない挿絵、大人になってから気づく素晴らしさも、
たくさんある本です。
|
|
|
|
|
|