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ルドルフ・シュタイナー「遺された黒板絵」
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ルドルフ・シュタイナー
遺された黒板絵
著者 ルドルフ・シュタイナー(作)
高橋巌(訳)
出版社 筑摩書房
ワタリウム美術館監修
価格 ¥5,800+税
発売年 1996/11
ISBN 4480872868

黒い紙に色チョークで描かれた、文字や図は、まるで現代アート。
でも、これはアートではなくて、人智学という
「人間がもともと持っている能力と科学を結びつける哲学」
を表現したもの、なんだそうです。

オーストリア生まれの哲学者、ルドルフ・シュタイナーのことばを 保存
しておくために、弟子たちは、彼の使う黒板の上に黒い紙を貼りました。
1925 年に彼が亡くなった時に残されたのが、約 1000 枚の、本当に美しい
黒板ドローイング。

時々、ひとりで、この本を机の前に立てかけて眺めます。
静かな、落ち着いた気持ちになります。
「哲学は、みんなが幸せになる方法を考える学問」
と教えてくれた人がいたけれど、それは本当かもしれないと思う。

ドイツのあちこちに、(日本から考えると)ちょっと変わった学校があることを
知ったのは、20 年近く前、「ミュンヘンの中学生」(子安美知子・朝日出版)
という本がきっかけでした。
教科書も、テストも、成績表もない、8 年間クラス替えのない
(担任の先生も同じ)、小学生から高校生まで 12 年間一貫教育の学校、
それがシュタイナーのつくった、シュタイナー学園です。

シュタイナーが目指していたのは、
「子どもが、自分で自分をしっかりとらえ、一番深い内部の欲求から、
自覚的に行動すること」
シュタイナー学園には、他の学校にはないカリキュラムがたくさんあります。
演劇や音楽、ダンスはもちろん、畑仕事にパン作り…、
どれもじっくり本格的に体験して、子どもたちは、
「分かったつもりにならない」本当の、経験を重ねていくそうです。

シュタイナー教育について、詳しく知りたい方には、
子安美知子(こやすみちこ)さん・子安文(こやすふみ)さん母娘の本を
おすすめします。

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