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「ワンワンワン」は、3匹の捨て犬たちの、3つの短い物語です。
チビ、リリィ、そして「名無し」が、それぞれ飼い主の勝手な事情
で捨てられて、施設に入れられ、でも最後には幸せになるお話。
JR 東日本 Suica ペンギンのイラストで有名な、坂崎千春さんが絵と
文を書きました。
文章とイラストはとてもシンプルで、ユーモアもあって、
最後はきちんとハッピーエンド、かわいい絵本です。
でも、この本を読むたびにとても切なくなります。
気持ちが弱っている時に読んだら、きっと泣いてしまいます。
それは、このハッピーエンドの裏側にある現実も見えてしまうから。
実際には、新しい優しい飼い主が見つかることは少なくて、
たとえば日本では、年間約 65 万頭の捨て犬や捨て猫が「処分」されている
そうです。
この本の犬たちが幸せになれたのは、
彼らの努力や願いが報われたのではなくて、偶然の結果です。
「ワンワンワン」のあとがきに、坂崎さんが書いています。
『何も出来ないとあきらめてしまうのではなく、望めば未来は変化
していくと信じたい。人と犬が共に暮らしてお互いを幸福にする、
そんな未来になりますように。』
私たちにできるのは、この本を読んだときの気持ちを、ずっと忘れずにいること。
そして、自分より弱い生き物をできるだけ守って、かわいがること。 |
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